オルタードスケール「実践で使える厳選25個」解説付きフレーズ集(ピアノ、ギター、サックス対応)
前回でオルタードスケールの概要として構成音や基本的な使い方を解説しましたので
ここでは実際にそれらを基に、発展させた実践的フレーズを列挙していきます。
オルタードスケール「実践で使える厳選25個」解説付きフレーズ集
(ピアノ、ギター、サックス対応)+補足フレーズ2個
セッションですぐ使えるように楽曲キーは統一せず色々なパターンで書いています。
自分のフレーズとして習得したい場合は色々なキーに自分で移調して練習してください。
是非、ご活用ください。
フレーズ1〜フレーズ20:最初から最後までオルタードスケールの構成音だけのフレーズ
ジャズオルタードフレーズ1(ルート音始まり)
「ルート音から♭13音」までクロマチックフレーズになっています。
クロマチックがよりビバップジャズらしいフレーズに聴こえます。
ジャズオルタードフレーズ2(ルート音始まり)
後半2拍はフレーズ1と全く同じフレーズになっていますが
前半の2拍フレーズが違うので別のフレーズっぽく聴こえます。
ジャズオルタードフレーズ3(ルート音始まり)
オルタードスケールの定番フレーズになります。
「♭13音→M3音」の連結はオルタードフレーズに馴染みやすい繋がりですので覚えておいてください。
ちなみに、フレーズ1とフレーズ2も使われていますので分析してみてください。
ジャズオルタードフレーズ4(ルート音始まり)
トニックコードのテンション音に解決するフレーズになっています。
音の挟み込みアプローチ(ディレイドリゾルブ)を使用しています。
ディレイドリゾルブとは音の寄り道で遅れて解決するアプローチのことです。
ジャズオルタードフレーズ5(♭9音始まり)
ここから♭9音始まりのフレーズになります。
ディレイドリゾルブアプローチでトニックの5度に解決しています。
ジャズオルタードフレーズ6(♭9音始まり)
ジャズオルタードフレーズ7(♯9音始まり)
後半2拍がフレーズ1と同じフレーズになっています。
先ほどのフレーズにも出てきたので定番の音型として覚えておきましょう。
つまり、1小節フレーズの作り方のコツとして2拍のフレーズを組み合わせるという方法が考えられます。
ジャズオルタードフレーズ8(♯9音始まり)
ここから♯9音始まりのフレーズになります。
3連符のフレーズが入ることにより、緩急のあるフレーズになっています。
「♯9→♭9→R→♭7」の流れはトニックのM3音に解決しやすいフレーズになります。
ジャズオルタードフレーズ9(♯9音始まり)
フレーズ8のバリエーションになりますが、解決する音がコードの5度になっています。
ジャズオルタードフレーズ10(♯9音始まり)
♭7音から隣の音にすぐ解決せず、下の音からダブルクロマチックでトニックコードのM3音に解決しています。
カッコ良いディレイドリゾルブアプローチのお手本フレーズです。
ジャズオルタードフレーズ11(♯9音始まり)
オクターブディスプレイスメントというテクニックが使われています。
構成音の部分だけ度数で並べてみてみると綺麗な音のつながりに見えますが、
実際の音程はいきなりオクターブ違うので、勢いを感じます。
オクターブディスプレイスメントとはフレーズの途中でオクターブを変えることをいいます。
オクターブの置き換えと呼びます。
同じフレーズでも途中でオクターブ変わることにより違ったフレーズに聴こえます。
ジャズオルタードフレーズ12(M3音始まり)
ここからM3音始まりのフレーズになります。
後半2拍でお馴染みのM3音に解決しやすいフレーズが入っています。
ジャズオルタードフレーズ13(M3音始まり)
M3音からオルタードスケールで順次下降してきますが、
やはり♯11,♭5音を除いて「♭13音→M3音」の音使いとなっています。
ジャズオルタードフレーズ14(M3音始まり)
2音でセットの音型としてクロマチックでルートにアプローチしています。
7thからディレイドリゾルブを使用しています。
ジャズオルタードフレーズ15(M3音始まり)
「♭13音→♯11(♭5)音→M3音」という珍しい連結フレーズになっています。
ジャズオルタードフレーズ16(♭13音始まり)
ここから♭13音始まりのフレーズになります。
3音セットのフレーズを2回繰り返して「♯9→♭9→半音下の音(トニックコードの5度に解決)」となっています。
ジャズオルタードフレーズ17(♭13音始まり)
前半2拍がオルタードテンション音3つとコード構成音1つでアウトサイドな響きが増しています。
オクターブディスプレイスメントも利用しています。
ジャズオルタードフレーズ18(♭13音始まり)
ジャズオルタードフレーズ19(♭13音始まり)
一拍目の音で♭13音を四分音符で使用していますので結構アウトしています。
それ以降は定番のパターンを組み込んでいます。
ジャズオルタードフレーズ20(♭7音始まり)
ここから♭7音始まりのフレーズになります。
7th音からM3音までオルタードスケールで上昇して、
♭9音からオルタードスケール音で下降して、メジャーコードの3度に解決しています。
フレーズ20〜フレーズ25:組み合わせフレーズ
後半2拍:オルタードフレーズ
前半2拍をコードトーンアルペジオ等ナチュラルなアウトしないインサイドのフレーズで
安定感を出して、後半2拍で不安定な音、オルタードテンションを入れてアウトフレーズにすることにより
緩急なアドリブを弾けるようにコントロールできるようになります。
また、インサイドの音とアウトサイドの音を聴き分けることができる聴力が身についてきます。
自由にアウトフレーズを弾く練習になりますので、
ここにあるフレーズを基に色々組み合わせてみてください。
後半2拍でオルタードフレーズを当てはめる
逆に後半のオルタードフレーズを固定して、前半のフレーズを当てはめる等、
1小節のフレーズを2拍単位に分けて考えると
フレーズの組み合わせが容易になりバリエーションが簡単に増えますので
アドリブ練習方法として覚えておいてください。
また、フレーズ単位が小さいとどの音を使うとこういう雰囲気のソロになるとか
特徴音が自分の中で感じられるようになりますし
オリジナルフレーズを作るのにも役に立つのでこの練習方法はオススメです。
この練習方法をマスターすれば、セッションでもフレーズのマンネリ化にならないと思います。
ジャズオルタードフレーズ21
「ルートから始まるコードアルペジオ」+「オルタードフレーズ」になっています。
ジャズオルタードフレーズ22
「M3音から始まるコードアルペジオ」+「オルタードフレーズ」になっています。
ジャズオルタードフレーズ23
コードアルペジオの部分にオクターブディスプレイスメントが使用され、
オルタードフレーズにオルタードテンションの「♭9→♯9→♭9」という3連符音型が特徴です。
緊張感のある音使いによく使われるパターンです。
ジャズオルタードフレーズ24
ドミナントセブンスコード上でツーファイブ分割を想定したフレーズになっています。
G7にDm7のコードトーンを弾くとナチュラルテンション(9,11)が表現できます。
つまり、前半はナチュラルテンションで少しアウトして、
後半でオルタードテンションに変えてよりアウトフレーズに変化しています。
ジャズオルタードフレーズ25
Ⅴ7をⅡm7-Ⅴ7と捉えて、Ⅱm7にナインスの音を加えています。
ナインス音に変えることにより13thというナチュラルテンションを使用することができます。
さらにオクターブディスプレイスメントやディレイドリゾルブも使われているので、総合的なアプローチ方法のフレーズになっています。
ここまでが厳選25個のオルタードフレーズになりますが、皆さんもお気づきになったと思いますが、
最初の始まる音をオルタードスケールの構成音を順番にまとめてフレーズを紹介しましたが(♯11,♭5音始まり)が無かったと思いますので補足として2フレーズ載せます。
オルタードフレーズ補足1(♯11,♭5音始まり)
♯11,♭5音始まりのフレーズはかなりアウトフレーズに聴こえると思いますので、
実際にアドリブで使用する時は結構センスが入ります。
オルタードフレーズ補足2(♯11,♭5音始まり)