ミックス時の「モニターの音量」&「等ラウドネス曲線」について
ここではミックスする時に「モニターの音量」すなわちスピーカーやイヤホンから
どのくらいの音量を出してミックスをすれば良いのか検証してみましょう。
音を大きくしてミックスする場合
音が大きいと、低音から高音までしっかり聴こえるため一見良さそうに思えます。
しかし、爆音でミックスすると低音がちゃんとしたバランスでミックスすることが難しいため、
最終的に2ミックスされた音を小さくして聴いた時に低音が全く聴こえない現象が起こる可能性があります。
これは人間の耳の特性で、音が小さい時は高音より低音の方がかなり聴こえないという物理現象
に起因しています。
これを数値化したものが等ラウドネス曲線と呼ばれるグラフがあり専門的な用語があります。
等ラウドネス曲線について知っているか知らないかで大きな差がつきますので、
名前は覚えなくても良いですので、音量によって聴こえる帯域が変わる!
特に、低音は小音量の時は聴こえずらい!!と暗記しておきましょう。
ですので、大音量でミックスすると低音が感覚以上聴こえすぎるため、
何となく良いかなとミックスしてしまうとベースが小さかったりします。
本来の正確な低音の音量でないアンバランスなミックスに陥ってしまいます。
(ベースが必要以上に大きく聴こえるためレベルを下げてしまいます。)
小さい音でミックスする場合
今度は逆に小音量でミックスしてしまうと、低音がほとんど聴こえない状態ですので、
どうしてもベース音が聴こえずらいためベースの音を大きくしてしまいます。
ミックス時の「モニターの音量」について結論
大音量だと低音が大きいと錯覚してしまい、
結果ベースなどの低音のフェーダーを必要以上に下げてしまう傾向がある。
小音量だと逆にあまり低音が聴こえないと錯覚してしまい、
必要以上に低音レベルを持ち上げてしまい大変な事になる。
つまり、普通の音量で聴くことが一番なのだが人によって基準がずれているので、
自分の中での基準を作る必要がる。
もちろん、再生機器によっても聴こえる帯域が違うのはみなさんご存知であろう。
自分の作業環境なども考慮して、基準を作らなければならないので、明確な数値はない。
方法としては複数曲参考音源等(プロがミックスした曲)でアウトプット音量(マスターフェーダー)を絞ったり、
開いたりした時に聴こえる帯域の変化をチェックするという方法がある。
特に音量を小さくしていった時の低音の変化を意識して聴いてください。
ポップス等、歌が入っているとボーカルなどは小さくしていってもはっきり聴こえるが
ベースなどがどんどん存在感が薄くなっていくのを確認してほしい。