松たか子「レット・イット・ゴー~ありのままで~(日本語歌)」の楽曲分析をしてみよう

今回は、テレビをつければ、一回は耳にする
ディズニー映画「アナと雪の女王」で欠かせない

松たか子の「レット・イット・ゴー~ありのままで~(日本語歌)」の
メロディやコード進行をはじめ楽曲の仕組みを分析してみましょう!

では、ここから、長文になりますが、解説していきます

まず、全体の流れとしましては 曲自体が物語、つまり、曲が進むにつれて
ストーリーが展開していく仕組みで作られています
細かい部分は後ほど音楽理論などを使用して説明しますが、
どういうことかといいますと

全体の曲構造について

イントロとAメロが、(ほぼ同じコード進行)
マイナー調の悲しい定番コード進行で心を掴み

Bメロから歌詞で言うと「とまーどいーきずーつき~♪」という部分から
メジャーのコードだけを使って、雰囲気が明るくなり
力強さを与え、そのまま、皆さんもお馴染みの「ありのーままのー♪」
というサビに繋げて、この部分もメジャー調で作られています

2番は1番のセクション毎のコード進行自体は変わりませんが
長さとメロディに変化を付けて、ポップス音楽で見られる
ただの繰り返しと違い、ストーリーの展開が見られます
二回目のサビからは
コードチェンジのリズムが8分音符クイと4分音符クイを入れて
最初のサビのゆったりさから、一転して疾走感を演出しています

そして、オーケストラのソロから
キーが転調かつサスフォーコードという
浮遊感がありながらも、明るい独特なコードの上で
メロディが奏でられています

Dメロもこのサスフォーコードを引き続き使って
オーケストラソロの雰囲気を維持したままスケールを上がって、下がるような
山を描くようなメロディを8小節

さらに、それをそのまま、1音上にトランスポーズして
Dメロ部分に区切りを付けています

半音でなく1音上にすることにより
元のキー(A♭メジャーキー)の ドミナントサスフォーになるんですね~
すると、Dセクションの転調から スムーズに戻れることが出来ます

こうやってアナライズすると
実は、かなり計算された構造になってるのが分かると思います

そして、このままラストサビと行きたい所に
さらにワンクッション入れてから、「これでーいいのー♪」という
クライマックスに持っていきます
全体の簡単な流れはざっとですが
大体こんな感じで、

次からは音楽理論を使用して、もっと詳しくセクション毎に解説していきます

毎回の注意事項ですが

ローマ数字のコード進行は、メジャーキーを基準に書いていきます
本来はマイナーキーの場合Ⅰmとなるのですが
表記上♭だらけになるのと、
レット・イット・ゴーは 平行調が重要になってきますので客観的に見るために
Ⅵmとして扱います
では、早速楽譜分析していきましょう

イントロ:Fマイナー

イントロ説明図
Ⅵm│Ⅳ│Ⅴ│Ⅱm7(11)/Ⅱm7│Ⅵm│Ⅳ│Ⅴ│Ⅱsus4/Ⅱ│
イントロはなんといっても
掴み&曲の顔となる部分でとても大事な要素です
レット・イット・ゴーでは
ピアノの切ないメロディに惹きつけられますよね

このメロディをアナライズすると
ある一定の規則性が見えてきます

音符の長さ音の跳躍が バックで流れているコードが変わってもほぼ維持しています
これは、コード構成音でぶつかる音(不協和音)以外は 共通にすることによって、
得られるアプローチ方法を使用しています
全く違うフレーズを弾くのとは対照的に安心感を得られます

では、どうして切なく聴こえるのか?

考えられる要因としては、
Fマイナーキーにとっての9th(G音)の音と短3度(A♭)の音が中心
となって作られている
試しにこのF音を弾いた後にG音→A♭の順番に弾くだけでも
どこか、悲しいような雰囲気になると思います
この音を中心に組み合わせてフレーズを作ると泣けるメロディが作りやすくなります
他の音はコード構成音のどれかに合わせれば、似たようなフレーズは簡単に作曲出来ます

コード進行は、マイナー調に定番の進行です
類似進行では、四小節目のコードがⅠまたはⅥmがあります

Aメロ(ヴァース):Fマイナー

Aメロ説明図
Aメロは前半と後半で分けることができます
前半はイントロと同じコード進行
後半は後ろ4小節がAセクションを終わらせるため&Bメロのコードに連結するために
ⅡmをⅡメジャーにしてセカンダリーコードの役目を果たしています
さらにⅡsus4を絡めてよりスムーズ効果を出しています

Aメロのメロディは あまり跳躍せず、静かな雰囲気が感じられます

Bメロ(ブリッジ):A♭メジャー

Bメロ説明図Ⅴ│Ⅴ│Ⅳ│Ⅳ│×2│Ⅳ│Ⅳ│
ここからメジャーコードだけになりますので 一気に明るくなります
しっかり場面展開してますよね
もしずっと暗い雰囲気のままだと
いつまで経ってもストーリーが同じになってしまいますので
このBメロは、名前の通り、ブリッジ所謂つなぎではありますが
曲の展開にはなくてはならない部分と改めて感じる部分ですね

出てくるコードの種類もたった二つだけ

ドミナントとサブドミナントコードのみですので
安定のトニックコードがないのも特徴的です

Cメロ(サビ&コーラス):A♭メジャー(平行調)

Cメロ説明図Ⅰ│Ⅴ│Ⅵm│Ⅳ│Ⅵm│×3│Ⅲm│Ⅲ♭│Ⅳ│Ⅳ│
サビのコード進行は
メジャーキーのヒット曲によくある定番の「いちごーろくよん」進行
を中心に構成されています
イントロ・Aメロと対比すると平行調というテクニックが使用されています
サビの締めではⅢ♭というダイアトニックコード以外のコードが出てきますが
ここで解説すると難しくなってしまいますので割愛します

メロディの特徴は、シンプルな音列だが弱起で構成することにより
単調さを解消しています

2番からは、先程も触れましたが、コード進行のタイミングが変化していたり
メロディのフェイクが使用されています

特に、リズムの変化を加えている所がだんだんと盛り上がる
ストーリーにハマっています

<Dメロに入る前のストリングスフレーズについて>
前半の2小節のフレーズを後半で、
音符の長さ(8分から16分にすること)と音程をオクターブ上げるなどをすることにより
同じフレーズでありながらも、
あたかも違うフレーズような効果を与えることが出来るんですね~

とかなり、長々と解説してきましたが
ご理解頂けたでしょうか?

曲の構造を把握するだけでも

聴き方が変わったり、新たな発見、
また、ピアノやギターなどで弾く時も一つずつ暗記しなくても
楽譜を簡単に覚えられたりしますので、参考にしてみてください

音楽理論も焦らずじっくり考えてくださいね

本当は、まだまだポイントはたくさあるのですが、
キリがないのでここら辺で落ち着こうと思います
楽譜は次回以降に要望があれば作ろうかな~・・