コンプレッサーのパラメーターについて基本動作を理解しよう
コンプレッサーの原理仕組みを前回解説しましたので
ここでは、実際にパラメーターの意味、基本動作を理解できるようにレッスンします。
まず、コンプレッサーエフェクターの基本動作の流れを大まかに理解してください。
コンプは音量を平均化するためのエフェクトです。
基本的な動作原理はスレッショルド(Threshold)で設定した以上の音量を
レシオ(Ratio)で設定した比率で抑えます。
ゲインリダクションでメーターでは抑えている音量が表示されます。
スレッショルドを下げて、レシオの比率を高くすれば、それだけ音量は一定に近づきますが
音色も周波数の変化で変わってきます。
アタック(Attack)でコンプが動作するタイミングを調整し、原音のアタック感をコントロールし
リリース(Release)で音の余韻を調整します。
要約すると上記みたいになりますが、いまいちしっくりこなくてもまだ大丈夫ですので安心してください。
それではこれから、一つずつパラメーターの動作原理を解説しますね。
スレッショルド(インプット)
コンプレッサーのエフェクターの電源のオン、オフスイッチの値を
自分で調整できる数値だと思ってください。
例えば、入力された音が設定した(スレッショルド値)音より
大きい場合にだけコンプレッサーが動作するということです。
音量レベルが設定した値を超えているときは作動していますが、
次第に音が減衰して下回ると動作しなくなります。
ですので、この値によってコンプレッサーがかかるかどうかが決まります。
ゲインリダクションメーター
圧縮状況を表示すし、どれくらい圧縮されているかがわかります。
メーターの単位はdBデシベルで大体初期値は0dBに位置しています。
つまり、コンプが動作し圧縮されると、プラス方向に動くのではなく
マイナス方向にメーターが振れるます。
ですので、例えば-6dBとメーターが表示していたら
6dB元の音を圧縮しているということです。
レシオ
原音をどれだけ圧縮するかを決めるパラメーターです。
値は圧縮比で表示されます。
3:1だと1/3の音量になります。
ただここで注意していただきたいのがスレッショルドで設定したレベルを
超えた所から元音のピークに対しての比率であるということです。
この音に対して-9dBにスレッショルドを設定したコンプをかけると
ピーク値とスレッショルド値の差は6dBとなります。
このときレシオを2:1に設定すると6dBの1/2になりますので3dBに圧縮されます。
つまり、コンプをかけた後のピークレベルは
-3dB(元のピーク値)-3dB(圧縮値)=-6dB(コンプ後ピーク値)
となります。
アタック
スレッショルド値を超えてから、どれくらいのタイムラグでレシオで設定した圧縮率に
到達する時間を設定するのがアタックになります。
このアタックを最速にすると頭の音が潰れるためアッタク音量を抑えたいときに
最速にしますが、基本はアッタク音を少し聴かせた方がナチュラルにコンプが掛かります。
リリース
入力音がスレッショルドを下回ってから圧縮がオフになるまでの時間のことです。
リリースが早い場合は、急激に原音量へ戻るためしゃっくりのような不自然な聴こえ方になります。
これをポンピング現象と呼びます。
逆に、リリースがすごい遅いと圧縮したくない次のアッタク音まで圧縮されてしまいます。
ニー(KNEE)
コンプレッサーがどのように動作し始めるのかを設定する値です。
ニーにはソフトニーとハードニーの2種類があります。
自然にコンプをかけたい場合はソフトニーにします。
ハードニーの場合は極端な音量差が生じるためノイズが出たり
するので、扱いが難しいですが、打楽器系に使用するとリズム感が出たりします。
メメイクアップゲイン(アウトプット)
先ほどゲインリダクションで圧縮された分だけメイクアップゲインで上げます。
するとピークメーターは元音と同じ音量を示しますが、
一回圧縮して音量を上げているため、音量が均一化されている分
聴感的に迫力があるように感じます。
ディテクション(detection)
入力信号のレベルを検出するモードを設定。
瞬間的なレベルに反応するPEAKモードと RMSモードがあります。
RMSメーター(VUメーター)とピークメーターの違いはなんでしょう?
ピークメーターはその名の通りピークレベルを感知しますので
(人間の耳が瞬間的な大音量に対して反応しない部分に対応するので)
クリップ防止に使いますが平均化された音量感を把握するのには適していません。
RMSメーターは逆に、人間の聴感と同じような動きをしますので、
平均化された音量感を判断するために使用されます。
目的別に使い分けられるようにしましょう。
コンプレッサーの掛け方でレベル調整のコツはインとアウトのレベルを聴感で判断できるように
何回もバイパスしたりして同じボリュームになるように練習します。