ジャズアドリブ「ビバップフレーズ」の仕組みを理解すれば自分でフレーズを作るのは簡単!
ビバップらしいフレーズの仕組み原理を理解すれば、初心者さんでも簡単にコツを掴み
自分でアドリブフレーズを作ることができ、ジャズセッションでも活用することができます。
レッスン内容は全てのフレーズをむやみに暗記するのではなく、
自分で一から理論的にビバップフレーズを作る力をつけることを目的としています。
コード進行を忠実に追っかける縦のラインを意識したバーティカル(垂直)なソロで考えていきます。
ビバップでは、コード進行を明確に示した音使いを中心に構成されているのが特徴だからです。
ちなみにコード進行を明確に示す音使いとは、コードトーンが中心ですが、
全ての音がコードトーンだとアルペジオアプローチだけの単調なフレーズになってしまいますので、
コードトーンのバランスと配置する位置、つまり個々の音型フレーズのアクセントの位置を把握し、
どの位置にコードトーンを配置するとビバップらしいフレーズになるか規則性から法則を
覚えるということです。
では実際に2拍フレーズの8分音符だけの譜割りから
ビバップフレーズの基本の作り方をみていきましょう。
まず、8分音符だけの音型ですので、4つの音を一つずつ分類していきます。
まず、このフレーズのアクセントは「強、弱、強、弱」となります。
そして、この「強」の部分にノンコードトーンは基本的に置かないとします。
これは実際にピアノやギター、サックス等楽器で弾いてみると実感するのですが、
「強」のところでコードトーン以外の音を弾くと違和感を感じると思います。
特に、始めの1拍目の音でノンコードトーンを持ってくると間違った響きがすると思います。
ですので、基本として表拍の「強」にはコードトーンを配置するようにします。
逆に裏拍部分の「弱」はノンコードトーン、コードトーンどちらでも大丈夫です。
※表拍にコードに合う音を使用できますので、テンション音も使えます。
この基本を使用してまとめてみると
「2つ目の音」:アプローチノート、コードトーン
「3つ目の音」:コードトーン、テンションノート
「4つ目の音」:アプローチノート、コードトーン
と上記のようになります。
コードトーンは全部の音で使うことはできますが、
2つ目と4つ目はなるべくコードトーンよりアプローチノートの方がビバップらしくなります。
では実際にフレーズを作ってみましょう。
ここから先は下記のように約して表記します。
コードトーン=コ
テンションノート=テ
アプローチノート=ア
「CM7」:
コードトーンを始めの音とした場合
【コ、コ、コ、コ】の場合
【Rド、3ミ、5ソ、7シ】【3ミ、5ソ、7シ、Rド】…
【コ、ア、コ、コ】の場合
【Rド、2レ、3ミ、5ソ】【3ミ、4ファ、5ソ、7シ】…
【コ、ア、コ、ア】の場合
【Rド、2レ、3ミ、次のコードに対してのアプローチノート】
【ミ3、ファ4、ソ5、次のコードに対してのアプローチノート】…
テンションノートを始めの音にした場合
【テ、コ、コ、コ】
【テ、コ、コ、ア】
【テ、ア、コ、コ】
【テ、ア、コ、ア】…
とたくさんの組み合わせがありますので8分音符だけの2拍フレーズだけでもバリエーションがあります。
全部のパターンを書こうとしたらものすごい量になってしまいますので、
例を参考に色々自分で試行錯誤して当てはめてみて、
実際にピアノ、ギター、サックス等楽器を弾きながら確認してみてください。
テンションから始めるとタブルクロマチックフレーズを簡単に作ることができます。
また、譜例では、上昇しか書いていませんが、全部下降でも途中下降して戻る等も使えます。
例えば【コRド、コ7シ、コRド、コ3ミ】のように一回下降してまた戻って、
上昇みたいに本当に無限のパターンを作れます。
次に応用テクニックとして音型を変化させます。
例えば、先程の8分音符だけのフレーズの二つ目の音(1拍裏)の部分を16分音符2つに分解します。
すると、この分けた部分2音ともアクセントは弱でありますが、
最初の一拍表の音と合わせると音が3音使えますのでアルペジオや刺繍音、
タブルクロマチックラインを当てはめやすくなります。
以下代表的なビバップ音型とアクセントの位置をセットにしたパターンを示しますので、
自分で当てはめてみましょう。
【八分休符、八分音符、八分三連符】【弱、強、弱、弱】
最初の音が弱になるパターンです。
【八分三連符と四分音符の4音の組み合わせ】【強弱弱強】
三連符の、音型はアルペジオが当てはめやすく、ジャズらしいフレーズにもなります。
【八分音符2音、16分音符4音】【強、弱、強、弱、弱、弱】
【四分音符1音、16分音符4音】【強、強、弱、弱、弱】
ここまで練習してきてある程度習得できれば、
自分の好きなジャズプレイヤーのフレーズを分析する時に音型とアクセントを理解できれば、
このサイトの理論、ルール規則等を利用すると自分で違うフレーズを作ることもできます。
ここで出てきたフレーズも教則本や定番フレーズとしてみたことがあるフレーズが
あったと思いますが新たな発見があったと思います。
つまり自分で一から理論にそって作ると定番のフレーズの仕組みがわかり、
変化も簡単にできるということになります。
仕組みが分かると才能やセンスだけじゃなく勉強して努力すれば
弾けるようになりますので、ジャズのアドリブが楽しくなると思いますよ~