「リズムチェンジのアドリブジャズの弾き方のコンセプト30個と実践フレーズ集30個」について
「リズムチェンジのアドリブジャズの弾き方のコンセプト30個と実践フレーズ集30個」の内容を説明します。
このレッスンではリズムチェンジのコード進行上で色々なアドリブ方法やコンセプトを習得していただきます。
そして、このリズムチェンジのコード進行を大きく4つに区切ってフレーズを構築していきます。
まず、インプットとしてフレーズのコンセプトを一つずつ理解していきます。
フレーズ1:ビバップアプローチフレーズ
フレーズ1は音楽理論初心者講座サイトでも解説しているビバップフレーズのアプローチ方法を使った
※ダブルクロマチックによるディレイドリゾルブフレーズになります。
※最初のB♭△7のフレーズを除きます。
アプローチフレーズの作り方は
まず、コードの構成音である「3度」と「7度」を用意します。
次に、次に進むコードの「3度」へ半音下からアプローチ音を加えます。
最後に、さらに半音下からアプローチ音を加えます。
つまり「3度」へダブルクロマチックでアプローチします。
ディレイドリゾルブとは、遅れて解決することをいいます。
この場合はダブルクロマチックで遠回りしてコードの構成音である「3度」に解決しています。
最初のB♭△7はダブルクロマチックではなく、挟み込みアプローチを使用しています。
最後のF7は♭7ではなく♭9の音に応用例として変化させています。
この♭9の音にすることにより5小節目のFm7のルート音F音もしくはB♭7の5度のF音に
アプローチすることができるようになります。
フレーズ2:アルペジオフレーズ
このフレーズはコードの構成音中心のアルペジオで作られています。
最初のB♭△7コードはトライアド+9th(2度)音のアルペジオになります。
これはジャイアントステップスでお馴染みのアプローチ方法である「ドレミソ」フレーズになります。
別の考え方としてメジャーペンタトニックの「ドレミソラ」の「ラ」を除いた音とも捉えられます。
2つ目のコードであるG7は♭9のテンション音を加えてA♭dim7と捉えます。
そして、ディミニッシュコードの特徴である短3度平行移動を使います。
つまりルートの音は変わります(コード名が変わります)がコードの構成音は全て同じですので
「A♭dim7=Bdim7=Ddim7=Fdim7」は全部同じ構成音になります。
これをG7♭9のコード構成音「GBDFA♭」と比べるとルートのG音以外全て「BDFA♭」共通しているのがわかると思います。
3つ目のコードであるCm7はルート音から順番にコードの構成音をアルペジオで弾いているだけです。
4つ目のコードではC♯dim7にリハーモナイズしてアルペジオを弾いています。
5つ目のコードでは3つ目のコードと同じ考え方になります。
6つ目のコードでは「5度、短7度、♭9度」のアルペジオになります。
7つ目のコードでは「ルート、短3度、5度」のマイナートライアドによるアルペジオになります。
8つ目のコードでは6つ目のコードと同じ考え方になります。
フレーズ3:ビバップアプローチとアルペジオフレーズ1
このフレーズはフレーズ1とフレーズ2のコンセプトを組み合わせた発展フレーズになります。
1つ目のコードではメジャートライアドコードのアルペジオになります。
2つ目のコードではディミニッシュアルペジオになります。
3つ目のコードではマイナーの「ドレミソ」フレーズになります。
4つ目のコードではC♯dim7にリハーモナイズしてディミニッシュスケールの音を使っています。
5つ目のコードでは次のG7の3度へダブルクロマチックアプローチしています。
6つ目のコードでは「R、3度、短7度、短9度」の音を「短9度→R→短7度→3度」の順番にスケール的に弾いています。
7つ目のCm7(Ⅱm7)はサブドミナントコードの代理コードであるE♭△7コード(Ⅳ△7)の
「ドレミソ」フレーズになります。
次のコードの3度にアプローチもしています。
8つ目のコードでは6つ目のコードと同じ考え方ですが最初に3度を弾いてから「短9度→R→短7度」と弾いています。
フレーズ4:ビバップアプローチとアルペジオフレーズ2
このフレーズもフレーズ3と同じくフレーズ1とフレーズ2の組み合わせによる発展フレーズです。
1つ目のコードではメジャートライアドによるアルペジオフレーズになります。
8分音符だけでなく4分音符にしている所もポイントになります。
2つ目のコードではもうお馴染みのディミニッシュアルペジオフレーズです。
コード連結でとても使いやすいため頻繁に使っています。
緑の□部分は次のCm7の5度にアプローチしています。
3つ目のコードではこれまた、マイナーの「ドレミソ」フレーズになります。
緑の□部分は次のC♯dimのルートにアプローチしています。
4つ目のコードではディミニッシュアルペジオの弾く順番を変化させています。
5つ目のコードではマイナーの「ドレミソ」フレーズになります。
緑の□部分は次のG7の3度にアプローチしています。
6つ目のコードではディミニッシュアルペジオフレーズです。
緑の□部分は次のCm7の5度にアプローチしています。
7つ目のコードではマイナーセブンスの構成音アルペジオになります。
緑の□部分は次のF7の3度にアプローチしています。
8つ目のコードではオクターブディスプレイスメントフレーズになります。
♭9の音から5小節目のFm7のルート音F音もしくはB♭7の5度のF音に
ダブルクロマチックアプローチしています。
フレーズ5:Ⅱm7-Ⅴ7(ツーファイブ)フレーズを利用したフレーズ
このフレーズはツーファイブフレーズを組み合わせたフレーズになります。
1つめのツーファイブフレーズは「イチロクニーゴ進行」を「サンロクニーゴ進行」にリハモしています。
前半2拍は「Dm7の短3度、2度、R、7度」後半2拍は「Bdim7アルペジオ(G7♭9)」のフレーズに
なっています。
2つ目のツーファイブフレーズは「ハーモニックマイナースケールパーフェクトフィフスビロウ(HP5)」フレーズになります。
HP5はマイナーのコードに進む時に重宝するスケールです。
このスケールはマイナーコードへの連結が綺麗に聴こえるのが特徴ですので覚えておきましょう。
3つ目のツーファイブフレーズは前半2拍は「Cm7のアルペジオ」と「F7♭9のアルペジオ」のフレーズになっています。
定番のツーファイブフレーズですが、ビバップジャズらしい響きがするので使いやすいフレーズです。
リズムチェンジの前半4小節は循環コード進行、逆循環コード進行の組み合わせで
コード進行が構成されていますのでツーファイブフレーズがしっかり機能します。
このフレーズはツーファイブフレーズだけでフレーズができていますが、
上級フレーズとしては適材適所に少しツーファイブフレーズを組み込んだ方が
フレーズの締まりがよくなってプロらしいアドリブフレーズになります。
例えばマイナーペンタトニック一発フレーズで弾いている所に
一回だけツーファイブフレーズを入れるといった感じです。
一発フレーズにはメリハリがつくのでオススメのアドリブ方法です。
フレーズ6:リハーモナイズしたコードのトライアドだけで弾くフレーズ
このフレーズはコード進行をリハーモナイズアレンジをしてトライアドコードのアルペジオ中心で
弾くフレーズになっています。
1つ目のフレーズはB♭トライアドコードのアルペジオフレーズです。
2つ目のフレーズはG7の裏コードであるD♭7のD♭トライアドのアルペジオフレーズです。
3つ目のフレーズはCmトライアドコードのアルペジオフレーズです。
4つ目のフレーズはF7の裏コードであるB7のBトライアドのアルペジオフレーズです。
5つ目のフレーズはDmトライアドコードのアルペジオフレーズです。
6つ目のフレーズはDdimコードのアルペジオフレーズです。
DdimコードはG7♭9から派生したコードになります。
「Bdim=Ddim=Fdim=A♭dim= G7♭9」
7つ目のフレーズはCmトライアドコードのアルペジオフレーズです。
8つ目のフレーズは次のコードへのクロマチックフレーズになっています。
コードをリハーモナイズすることにより、ギター等で弾く場合は、ほぼ同じ形(シェイプ)で弾くことができてしまいます。
裏コードとはルート音以外コードの構成音が同じになりますので代理関係になります。
フレーズ7:ツーファイブとリハーモナイズを組み合わせたフレーズ
このフレーズはフレーズ5の前半2小節とフレーズ6の後半2小節を組み合わせたフレーズです。
組み合わせのポイントは繋ぎとなるフレーズをいかに自然に作ることができるかが鍵となります。
このフレーズの場合は2小節目後半2拍にフレーズ5とフレーズ6の繋ぎとなるフレーズを組み込んでいます。
他のフレーズを組み合わせる時もこの繋ぎとなるフレーズを意識して作ることが
フレーズ同士の組み合わせのコツになりますので是非参考にしてみてください。
フレーズ23:ビバップスケールを利用した応用フレーズ
このフレーズはビバップスケールと他のコンセプトを組み合わせた応用フレーズです。
D7コードではDミクソリディアンビバップスケールをルート音からスケール音通りに下降して
オクターブ下の音で解決させています。
G7コードではGミクソリディアンビバップスケールをルート音からスケール音通りに下降して
オクターブ下の音で解決させていますがよりフレーズっぽくするために「休符」とコード構成音の「5度」と「3度」の音を追加しています。
C7コードではCミクソリディアンビバップスケールをルート音からスケール音通りに下降して
オクターブ下の音で解決させています。
6小節目の最後の音は次のフレーズへのアプローチ音になります。
7小節目はコードのアルペジオフレーズですが、コンセプトとして2拍ずつでコード構成音のアルペジオに変化をつけています、
前半2拍はFm7のコード構成音アルペジオで後半2拍はルートの音を「♭9」の音に変化させて、
安定したアルペジオフレーズから不安定なアルペジオフレーズを演出しています。
ただやみくもにアルペジオを弾くのではなく、テンションを含まない、含ませるを明確に分けた考え方で
アプローチしています。
8小節目はFコンビネーションオブディミニッシュスケール(コンディミ)を使ったフレーズになります。
ここまでは、本コンテンツの一部抜粋になります。
全コンテンツはPDF63ページ分になります。
ジャズスタンダードの定番であるリズムチェンジのコード進行を用いて
ターゲット理論をはじめ、コルトレーンチェンジを利用したリハーモナイズアプローチ、ビバップスケール、
ホールトーンスケール、コンディミ、リディアンセブンススケール等色々なアプローチ方法を詳しく解説しています。
また、インプットした後はアウトプットとして実際にフレーズを他の人に説明できるか、
フレーズ同士の繋げ方等を学び1曲通してアドリブソロを組み立てていきます。
ジャズギター、ジャズサックス、ジャズピアノ等、コンセプトはどの楽器でも共通して使えます。
下記がグルーピング化したコード進行です。
■Aセクション前半4小節
■Aセクション後半4小節①:Aセクション前半へ戻るパターン
■Aセクション後半4小節②:Bセクションへ向かうパターン、曲締めパターン
■Bセクション
※Aセクション後半4小節は、次に進むコード進行によってフレーズの終わり方が変わりますので①と②に分けて考えていきます。(最後2小節コード進行が少し変わる)
Aセクション後半4小節①と②の違いは②はトニックフレーズを意識して弾きます。
※Aセクション後半4小節①は、コード進行パターンが複数ありますのでそれぞれ対応したフレーズを用意しています。
「リズムチェンジ」コード進行について「AABA」
■Aセクション前半4小節
「B♭△7 G7│Cm7 F7│Dm7 G7│Cm7 F7」
■Aセクション後半4小節①
バリエーション1「Fm7 B♭7│E♭△7 E♭m7│Dm7 G7│Cm7 F7」
バリエーション2「Fm7 E7│E♭△7 E♭m7│Dm7 G7│Cm7 F7」
バリエーション3「Fm7 B♭7│E♭△7 Edim│Dm7 G7│Cm7 F7」
バリエーション4「B♭△7 B♭7│E♭△7 E♭m7│Dm7 G7│Cm7 F7」
■Aセクション後半4小節②
「Fm7 B♭7│E♭△7 Edim│Cm7 F7│B♭△7」
■Bセクション
「D7│D7│G7│G7│C7│C7│F7│F7」